特集 非B非C型肝癌を繙く
6.非B非C型肝癌の治療(3)肝動脈化学塞栓術
佐々木 康二
1
,
上嶋 英介
1
,
岡田 卓也
1
,
山口 雅人
1
,
杉本 幸司
1
,
村上 卓道
1
1神戸大学医学部附属病院放射線診断・IVR科
キーワード:
肝動脈化学塞栓術
,
非B非C型肝細胞癌
,
非アルコール性脂肪肝炎
Keyword:
肝動脈化学塞栓術
,
非B非C型肝細胞癌
,
非アルコール性脂肪肝炎
pp.304-310
発行日 2022年2月20日
Published Date 2022/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002122
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肝硬変患者の減少と薬物療法の進歩により,肝動脈化学塞栓術(TACE)が適応となる肝細胞癌(HCC)症例は激減している.一方,新規に発症したHCC患者のなかで非B非C型肝癌(NBNC—HCC)の割合は増加傾向にある.NBNC—HCCとHBV/HCV—HCCに対するTACEの技術的側面,治療効果,合併症,予後に関して明確な差異を証明した報告はこれまでにない.しかしながら,NBNC—HCCの主因の一つである非アルコール性脂肪肝炎(non—alcoholic steatohepatitis;NASH)患者では,肝硬変を経ずに発癌するケースも多く,その場合,塞栓剤として径の小さいmicrosphereを使用する際には胆管虚血などの虚血性合併症に注意が必要である.HCCの治療が多様化するなか,適応を見極め,適切な症例に最新のエビデンス・技術を用いて効果的なTACEを行うことは,背景肝疾患にかかわらず重要である.
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