消化管がん検診・スクリーニングの手引き
Ⅱ 消化管がんの疫学 ❷ 日本・世界におけるHelicobacter pylori 感染の動向
山岡 𠮷生
1
1大分大学医学部環境・予防医学講座
キーワード:
Helicobacter pylori
,
胃がん
,
除菌治療
,
毒性
Keyword:
Helicobacter pylori
,
胃がん
,
除菌治療
,
毒性
pp.853-858
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001851
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Helicobacter pylori(H. pylori)がヒトの胃粘膜から分離培養されてから40年近くが経過,数多くの研究の結果,H. pyloriが胃粘膜炎症を引き起こし,消化性潰瘍の発症に深く関与すること,さらに胃がんの大部分がH. pylori感染を基盤に発生することが明らかとなっている.H. pylori感染に関する総説も数多く発表されており,全世界人口の約半数が感染しているとか,低・中所得国で感染率が高い,などがコンセンサスとなっている.しかし,われわれが世界各地で内視鏡検査を行い,感染率を検討すると,かなり地域差があり,必ずしも低・中所得国で感染者が多いわけではないこともわかってきた.本稿では,日本および世界におけるH. pylori感染の動向について,最新の研究成果,疫学的動向と将来予測も含めて概説する.
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