消化管がん検診・スクリーニングの手引き
序文
山道 信毅
1
1東京大学医学部附属病院予防医学センター/消化器内科
pp.809-810
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001842
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全世界がCOVID-19の猛威にさらされる2020年の初秋に,消化管がん検診の増刊号のゲストエディターのお話をいただいた.伝統ある「臨牀消化器内科」の編集委員の先生方からご推挙いただき,日頃,本誌の愛読者でもある私は光栄に感じる一方で,一抹の逡巡が過ぎったのも事実であった.未知のウイルスによるパンデミックが世界を覆い,多くの医師が感染症対策に奔走するなかで,予防医学や検診を語ることが難しい雰囲気が垂れ込めているのを肌で感じる日々だったからである.医学界が臨床の比重を高めざるをえないこの時期に,がん検診関連の原稿を引き受けていただける先生方がどれだけいるだろうか,思い悩む心境であった.冷静に考えれば,悪性腫瘍はCOVID-19とは別に対応すべき重大疾患であることに変わりはなく,消化管がん検診を疎かにするべきではないのはもちろんであり,こんなときだからこそと考えて,引き受けさせていただいた.2021年に入っても,COVID‒19の第3波・第4波が相次いで本邦を覆う厳しい状況が続いているが,そんななかで本増刊号の企画に賛同いただき,ご執筆を快諾していただいた諸先生方には,深く感謝申し上げるばかりである.
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