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暇を持て余していた1985 年の夏休み(私は1986 年卒業ですので,大学5 年生の夏休みということになります)に,私の叔父で当時岸和田徳洲会病院病院長の廣岡大たかし司先生から病院見学に誘われました.たしか,“旨いもんも食べさせるし,若くて可愛い看護婦さんもいっぱいおるよ”と言われた記憶があります(これは,私の思い込みかも知れません).今の医学部生とは違って,部活(ちなみに医学部硬式野球部で投手をしていました.勝ち星は聞かないのがお約束です)が無ければ何もすることが無いので(本当はそんなことはなく,夏休み中基礎教室で実験し一流英文雑誌に投稿し掲載されていた仲間もいました),喜び勇んで一週間を岸和田徳洲会病院で過ごしました.確かに,毎日業務が終わると美味しいものを食べさせていただきました.時々は若くて可愛い看護婦さんもいました.しかし,業務が終わるのが何時なのかわからないのです.区切りというものがありませんでした.先生方はいつ休んでおられるのか,わかりません.病院についたその日の医局で見た光景は凄まじく,爆眠している医師が医局で何名かいるだけでした.自分はいったいどこに行ったらよいのだろうと焦り,取り敢えず救急外来へ行きました.そこで,初めて叔父に合うことができ,叔父と楽しそうに話をしている湯浅 肇先生とお会いしたのでした.お二人は,経腹壁超音波検査で虫垂炎の診断をしておられたのでした.病歴聴取,腹部触診,即超音波検査です.その後に,付け足しで採血と腹部単純レントゲンくらいは撮っておられました.そして,急性虫垂炎と診断して手術という流れでした.私はこのような体験を通じて超音波と出会ったのでした.そして,今もなお超音波とともにいます.
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