特集 感染症と消化器 ― 診断と治療:感染症専門医から消化器内科医へのアドバイス
2.消化器領域で重要な微生物感染症の特徴(7)サイトメガロウイルス感染症,ノロウイルス感染症
古谷 賢人
1
,
伊東 直哉
2
1伊豆赤十字病院内科
2愛知県がんセンター感染症内科部/感染対策部感染対策室
キーワード:
サイトメガロウイルス
,
ガンシクロビル
,
ノロウイルス
,
アウトブレイク
Keyword:
サイトメガロウイルス
,
ガンシクロビル
,
ノロウイルス
,
アウトブレイク
pp.315-320
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001705
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サイトメガロウイルス胃腸炎・肝炎の診断は難しく,しばしば消化器内科医を悩ませる疾患の一つである.サイトメガロウイルス感染症は免疫不全,とくに細胞性免疫不全を呈する患者に発症する.サイトメガロウイルスに関する検査方法はアンチゲネミアやPCR,培養などがあるが,サイトメガロウイルス腸炎・肝炎診断のgold standardは生検である.治療の第一選択はガンシクロビルである.また移植患者では,サイトメガロウイルス感染症は致死的となるため「preemptive therapy(先制攻撃的治療)」が行われている.ノロウイルス感染症は冬季に流行するウイルス性腸炎の代表格である.感染力が非常に強く,容易にアウトブレイクを引き起こすため適切な感染対策が求められる.
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