特集 消化器ステント留置
1 .消化管ステント留置(3)輸入脚閉塞症に対する内視鏡的ステント留置術
竹内 弘久
1
,
下山 勇人
1
,
鶴見 賢直
1
,
橋本 佳和
1
,
大木 亜津子
1
,
長尾 玄
1
,
阪本 良弘
1
,
須並 英二
1
,
正木 忠彦
1
,
森 俊幸
1
,
阿部 展次
1
1杏林大学医学部消化器・一般外科
キーワード:
輸入脚閉塞症
,
自己拡張型金属ステント
,
内視鏡的ステント留置
Keyword:
輸入脚閉塞症
,
自己拡張型金属ステント
,
内視鏡的ステント留置
pp.1211-1220
発行日 2019年8月20日
Published Date 2019/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000905
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癌再発に起因する悪性輸入脚閉塞症に対する内視鏡的SEMS 留置術は,閉塞部位までの再建腸管の距離が長く,屈曲が強い場合も少なくなく,多くは高度なスコープ操作技術が要求される.われわれは経鼻内視鏡で輸入脚内に減圧チューブを留置し,輸入脚内を減圧後に内視鏡的SEMS 留置術を行う2‒step 法を開発した.2‒step 法は,2 回の内視鏡操作を必要とするが,以下の三つの利点がある.① 減圧チューブで輸入脚を直ちに減圧できる,② 減圧チューブを造影することで,SEMS 留置を行うルートの詳細な評価が可能である,③ 減圧チューブがSEMS 留置のガイドとして役立つ.つまり,2‒step 法は輸入脚閉塞症の急性期病態を速やかに改善させるとともに,SEMS 留置の際のスコープ操作の技術的難度を軽減する.本稿では,輸入脚閉塞症に対する病態およびわれわれが考えている治療戦略と,悪性輸入脚閉塞症における内視鏡的SEMS 留置術,とくに2‒step 法の実際を概説した.
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