特集 肝と免疫2019
3.原発性胆汁性胆管炎(PBC)(2)原発性胆汁性胆管炎発症の分子機序
下田 慎治
1
1九州大学大学院病態修復内科学
キーワード:
臓器特異的自己免疫疾患
,
慢性非化膿性破壊性胆管炎
,
分子相同性
Keyword:
臓器特異的自己免疫疾患
,
慢性非化膿性破壊性胆管炎
,
分子相同性
pp.513-520
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000738
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分子相同性は自己免疫発症メカニズムとして古くから提唱されてきたが,新しい概念も付与されてPBC 発症の引き金として説得力のある説明となっている.また,活性化T 細胞によるIFNG 産生を起こしやすい体質や,自然免疫リガンド・疎水性胆汁酸などの胆管周囲環境が,PBC 病態を形成する要因になっている.さらに,標的である胆管細胞もサイトカイン・ケモカイン産生や自己抗原の放出を行い,積極的に病態へ関与している.今後はウルソデオキシコール酸(ウルソ®)治療抵抗性の分子機序を明らかにし,治療標的分子を同定することが求められている.
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