連載 検査値の読み方
東京都内で感染し発症したワイル病の1 例
三浦 英明
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)東京山手メディカルセンター内科
キーワード:
レプトスピラ症
,
ワイル病
Keyword:
レプトスピラ症
,
ワイル病
pp.336-341
発行日 2019年2月20日
Published Date 2019/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000687
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レプトスピラ症は病原性レプトスピラの感染によって引き起こされる人畜共通感染症の総称である.ネズミなどの保菌動物の尿中に排泄された病原性レプトスピラにより汚染された水や土壌から経皮的,経粘膜的あるいは経口的に感染することで発症する.感冒様症状の軽症型から多臓器不全を呈し,時には致死的となる重症型まで多彩な臨床像を呈する.とくに黄疸,出血,腎不全の三主要徴候を伴う重症型レプトスピラ症はワイル病と呼ばれている.わが国では衛生環境の改善により発生数は激減したが,今日でも感染の機会がなくなったわけではない. 東京都23区内で感染,発症したワイル病を経験した.都心部でのワイル病の発症は比較的まれであり,生検にてその肝病理を評価しえたのでここに報告する.
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