原著
東京都内で捕獲された鼠の生物學的調査—附ワイル・フェリックス反應
北岡 正見
1
,
佐々 學
1
,
三浦 悌二
1
,
三浦 照子
1
1傳染病研究所
pp.14-20
発行日 1948年5月25日
Published Date 1948/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200288
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鼠が發疹熱の病原體であるリケッチア・ムーゼリー(以下リ,ムと略)の保有者であり1-6),發疹熱がその寄生蚤によつて人間に傅播7-12)されることは周知の事實である。東京都内の鼠の間にもこのリ,ムが撒布されてゐることは今次大戰前に笠原1)によつて既に證明されてゐるが,終戰後の未曾有の發疹チフス大流行に直面するに及んで色々の意義に於て再び本問題が取り擧げられた。偶々G.H.QのWheeler大佐,406綜合醫學研究所のBerge少佐,東京都防疫課各位の援助の下に東京都内に於て鼠を捕獲し,その生物學的調査を行ふと共にリ,ムの保有率,またその體外寄生蟲とそのリ,ム保有率を檢索する機會を得た。今回は主として生物學的調査について報告する。
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