特集 ガイドラインに基づいた肝癌診療
4.肝発癌予防
安井 豊
1
,
泉 並木
1
1武蔵野赤十字病院消化器科
キーワード:
肝細胞癌
,
発癌予防
,
抗ウイルス療法
Keyword:
肝細胞癌
,
発癌予防
,
抗ウイルス療法
pp.653-658
発行日 2018年5月20日
Published Date 2018/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000353
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肝細胞癌は正常肝からの発症が少なく,ウイルス性肝炎や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を背景として発症することが多い.背景肝疾患に応じた治療は肝細胞癌発症の予防策として重要であり,核酸アナログ薬はB 型肝炎を背景として発症する肝癌症例に考慮すべき治療である.また,近年進歩が目覚ましいC 型肝炎に対するDAAs 治療についても発癌抑制効果のエビデンスが積み重ねられつつある.一方,NASHを背景とした肝癌に対する予防治療は糖尿病や脂質異常症などの並存疾患のコントロールが重要と考えられており,背景肝への根本治療の進歩は今後に期待される.このように慢性肝疾患においては背景肝に応じた発癌予防が必要である.
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