連載 検査値の読み方
長期の核酸アナログ製剤内服にてネフローゼ症候群が完治したB 型慢性肝炎の一例
正木 尚彦
1
,
栁瀬 幹雄
2
1国立国際医療研究センター病院中央検査部門
2国立国際医療研究センター病院中央検査部門 消化器内科
キーワード:
B 型肝炎ウイルス,ネフローゼ症候群,膜性腎症,核酸アナログ製剤
Keyword:
B 型肝炎ウイルス,ネフローゼ症候群,膜性腎症,核酸アナログ製剤
pp.247-250
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000237
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B 型肝炎ウイルス(HBV)感染が肝外病変として膜性腎症,ときにネフローゼ症候群(NS)をきたすことはよく知られている.従来はインターフェロン(IFN)治療が試みられ,とくに小児例では奏効するものの1),成人例では効果不十分な症例が多く2),また,IFN に起因する各種有害事象も課題であった.わが国では,2000年以降B 型肝炎経口剤治療薬としてラミブジン(LMV)をはじめとする各種核酸アナログ(NAs)製剤が臨床応用され,抗ウイルス効果とともに肝発がん抑制効果を発揮しているところである.われわれはNS を呈したB 型慢性肝炎成人例に対して,上市後いまだ日の浅かったLMV 投与を開始し,抗HBV 効果に加えて,NSの完治を獲得しえた症例を経験したので紹介する.
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