特集 透析患者の口腔合併症と口腔ケア
5.各種病態と基本的対応(1)透析患者の歯科Common disease a.慢性う蝕と歯周病
三上 理沙子
1,2
,
松尾 浩一郎
1
1東京科学大学病院オーラルヘルスセンター
2東京科学大学大学院医歯学総合研究科先端材料評価学分野
キーワード:
透析
,
口腔疾患
,
う蝕
,
歯周病
,
MIA症候群
Keyword:
透析
,
口腔疾患
,
う蝕
,
歯周病
,
MIA症候群
pp.1515-1523
発行日 2025年12月10日
Published Date 2025/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003666
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透析患者では慢性う蝕や歯周病などの口腔疾患が高頻度に認められる.口腔乾燥や唾液分泌低下,不良な口腔衛生状態はう蝕や歯周病の進展を助長し,咀嚼機能低下や栄養障害へとつながる.さらに歯周病は炎症性疾患でもあり,全身への影響も大きいことが知られている.歯周病と慢性腎臓病は複数のリスク因子を共有するだけでなく,炎症や低栄養を介して透析患者の生命予後に影響を及ぼす可能性が示唆されている.透析患者の口腔環境とそのリスクを理解し,適切に口腔健康管理を行うことは,予後の改善と生活の質向上に不可欠である.

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