特集 良好なバスキュラーアクセスを作製・維持するために
2.高齢者におけるバスキュラーアクセスの選択
春口 洋昭
1
1飯田橋春口クリニック
キーワード:
高齢者
,
バスキュラーアクセス
Keyword:
高齢者
,
バスキュラーアクセス
pp.1391-1395
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003633
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
高齢の腎不全患者は,動脈硬化,心機能低下,認知機能障害,フレイル,栄養不良など多様なリスク因子を抱えており,バスキュラーアクセス(VA)の選択にあたっては個別化された対応が求められる.従来の標準的選択肢である自己血管内シャント(AVF)は,高齢者においてはシャント発育不良,心負荷の増大,穿刺困難といった課題がしばしば生じる.代替手段として,上腕動脈表在化(BAT)やカフ型カテーテル(TCC)の有用性が報告されており,いずれの選択においても患者・家族・医療者による共有意思決定が不可欠である.また,透析導入準備期からの計画的介入,多職種連携,ならびに福祉サービスとの協働体制の構築は,高齢社会における透析医療の質的向上に寄与する.

Copyright © 2025, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.

