特集 血液透析患者の血圧を再考する
8.透析低血圧の原因―どんな指標,検査が有用か
熊谷 裕生
1
,
池田 直史
2
,
野平 由香
2
,
元 志宏
3
,
野邊 香奈子
3
,
岩井 孝憲
3
,
上久保 佑太
3
1石心会さやま総合クリニック腎臓内科
2石心会さやま腎クリニック腎臓内科
3埼玉石心会病院腎臓内科
キーワード:
透析低血圧
,
ドライウエイト
,
プラズマ・リフィリング
,
心臓・圧受容器反射
,
血管収縮
Keyword:
透析低血圧
,
ドライウエイト
,
プラズマ・リフィリング
,
心臓・圧受容器反射
,
血管収縮
pp.178-186
発行日 2024年2月10日
Published Date 2024/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002890
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透析中に血圧が低下することは多いが,医療従事者は原因を追究して再発防止に取り組むべきである.原因として,ドライウエイトが低すぎる,除水すべき量が多く除水速度が速い,交感神経亢進による血管収縮が適正に起こらない,降圧薬の種類・量・内服時刻が適切でないなどがあげられる.これらのうちのどれが原因かを検討し,対策を講じる必要がある.ドライウエイトについては透析後の心臓胸郭比,hANP(50〜100 pg/mL),呼気時の下大静脈径(10〜12 mm)を勘案して,血圧低下が起こらないように決定する.除水速度については,平均15 mL/kg/hr以下をめざす.そのためには,食塩制限と水分制限が必要である.体重増加は中1日なら3%未満という基準を患者に指導することが必要である.
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