7．透析患者の骨折の外科的治療

血液透析患者の生命予後は飛躍的に進歩したが，いまだ透析アミロイドーシスはさまざまな運動器疾患を引き起こす．虎の門病院分院整形外科では長期血液透析に合併する運動器疾患の治療に積極的に取り組んできた．2005年1月より2019年12月までの15年間に行った血液透析患者に対する整形外科骨折手術症例を検討した．本稿では透析アミロイドーシスに起因する特異的骨折を紹介する．血液透析患者の骨折手術では，耐術能に問題があり，周到な準備が必要である．血液透析患者の骨折は必ずしも骨粗鬆症によるとは限らず，血液透析特有の骨代謝異常が合併し，易骨折性であり，骨癒合が遷延することがある．必要に応じて骨形態計測を行うべきである．