ケース・スタディ
透析中に回路内白色血栓を生じた1例
小佐野 慧一
1
,
内村 幸平
1
1山梨大学医学部附属病院腎臓内科
キーワード:
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
,
4Tsスコア
,
HIT抗体
,
透析回路内血栓
Keyword:
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
,
4Tsスコア
,
HIT抗体
,
透析回路内血栓
pp.687-694
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002591
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症 例:67歳,女性 主 訴:透析回路内の血栓形成 既往歴:原発性アミロイドーシス,高血圧症,脂質異常症,子宮頸癌,帯状疱疹 家族歴:母が多発性骨髄腫 アレルギー:薬剤なし,食物なし 生活歴:ADL自立 喫煙歴:なし 飲酒歴:機会飲酒 職業歴:介護職 現病歴:毎年,健診を受診し40歳代から高血圧,脂質異常症を指摘され,近医にて内服治療を受けていた.X-4年(63歳)時に健診で蛋白尿1+を初めて指摘され,X-2年には蛋白尿2+と悪化した.X年1月頃から体重が減少し,X年2月には血清Cr 1.1 mg/dLと軽度上昇,X年3月には血清Cr 2.2 mg/dLとさらに悪化したため当科を紹介受診した.X年5月に腎生検を実施し,腎アミロイドーシスの所見であり,血液内科にて骨髄生検を施行し,原発性アミロイドーシスと診断された.シクロホスファミド,ボルテゾミブ,ダラツムマブ,デキサメタゾンを併用する化学療法が開始されたが腎機能は徐々に増悪し,X年10月14日には血清Cr 11.9 mg/dLと悪化したため当科へ入院した.
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