特集 糖尿病透析患者の全身管理を極める―専門医との連携を目指して
5.推奨される血糖降下薬とインスリンの使い方
小林 洋輝
1
,
阿部 雅紀
1
1日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
キーワード:
糖尿病
,
透析
,
薬物治療
,
インスリン
Keyword:
糖尿病
,
透析
,
薬物治療
,
インスリン
pp.31-36
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002427
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現在,日本の透析導入の原疾患として糖尿病性腎症が40%以上を占めており,透析期の患者における糖尿病の管理が重要な臨床課題になっている.透析期の糖尿病患者では透析治療そのものにより血糖値が大きく変動することが知られており,さらに腎による糖新生の低下,インスリンクリアランスの低下,腎排泄性の薬物の蓄積などが生じやすく,透析患者特有の血糖動態を示す.したがって,このような血糖動態を理解したうえで薬物による適切な血糖コントロールが重要になる.薬物治療としては,経口糖尿病薬の適応が広がりつつあるものの,インスリン療法を必要とする症例も多く,持続血糖モニタ(CGM)などを用いながらの患者個々に応じた処方が重要になる.
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