特集 最新の糖尿病診療と今後の展開
合併症診療Update
透析期
阿部 雅紀
1
1日本大学 医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
キーワード:
糖尿病
,
透析
,
グリコアルブミン
,
インスリン
,
薬物治療
Keyword:
糖尿病
,
透析
,
グリコアルブミン
,
インスリン
,
薬物治療
pp.1159-1162
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1159
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Summary
▪現在,わが国の人工透析医療費は年間総額1.5兆円を超えており,その原疾患として糖尿病性腎症が40%以上を占める.
▪透析期の糖尿病患者における血糖コントロール指標は透析開始前の随時血糖値(透析前血糖値)とグリコアルブミンを用いる.
▪透析治療そのものにより血糖値が大きく変動することが知られており,この血糖変動を軽減することが合併症の予防に重要である.
▪透析患者では腎による糖新生の低下,インスリンクリアランスの低下,腎排泄性の薬物の蓄積が生じやすく低血糖をきたしやすいため,低血糖の発症予防を意識した治療選択を行う.
▪透析期の糖尿病患者においては血管系疾患の合併頻度が高く,予後不良因子として重要であるが,典型的な症状を欠くため見逃さないように注意する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022