特集 バスキュラーアクセス-作製・管理・修復の基本方針 2nd Edtion
第9章 患者教育・看護 Column 在宅血液透析の自己アクセス管理
鈴木 一裕
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1援腎会すずきクリニック
キーワード:
HHD
,
アクセス
,
アンケート
Keyword:
HHD
,
アクセス
,
アンケート
pp.891-892
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002210
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近年,在宅血液透析(HHD)患者数は増加してきており,2019年末で746名の患者がHHDを受けている.HHDの最大のメリットは,施設透析では月14回に制限されている透析回数に限度がなく,週当りの透析回数を増やせることである.頻回透析は生命予後改善が報告されており,透析前リン値や体重コントロールが容易になることから,食事や飲水制限が大幅に緩和される.透析回数が判明しているHHD患者588名中489名が隔日透析以上の透析を受けており,191名のHHD患者が週5日以上の頻回透析を受けている.透析回数増加によるメリットは大きいが,頻回透析では頻回の穿刺によるシャントの荒廃という問題が発生し,シャント狭窄や閉塞リスクも上昇する可能性がある.シャント感染に関しては,穿刺時の適切な消毒や穿刺手技の徹底,頻回透析による全身状態改善と免疫力向上で感染リスクは高まらないといわれている.また,穿刺による疼痛は大きな問題であり,疼痛を軽減するためにボタンホール穿刺や長期留置カテーテルによる透析も行われてきている.
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