ケース・スタディ
弛緩出血後に急性腎障害を発症した1例
小林 敬
1
,
中田 真実
1
,
武藤 正浩
1
,
鈴木 祐介
1
1順天堂大学腎臓内科
キーワード:
非典型溶血性尿毒症症候群
,
血栓性微小血管症
,
急性腎障害
Keyword:
非典型溶血性尿毒症症候群
,
血栓性微小血管症
,
急性腎障害
pp.189-194
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002046
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症 例:32歳,女性 主 訴:尿量低下 既往歴:特記事項なし 家族歴:特記事項なし 生活歴:機会飲酒,喫煙歴なし アレルギー:桃,キウイ,梨 現病歴:自然妊娠で妊娠成立し,妊婦検診では高血圧,尿蛋白,尿潜血は指摘されず,異常なく経過した.妊娠40週5日で前期破水を指摘され当院産科に入院した.翌日分娩誘発を開始し,妊娠40週6日に鉗子分娩で出産した.分娩時に弛緩出血を認め,輸血を繰り返した.止血困難であったことから産後1日目に開腹子宮圧迫縫合術が施行された.約4,500 mLの出血を認め,輸血,アルブミン投与を行っていたが術後より尿量低下,血液検査でBUN,Crの上昇を認め,産後2日目,腎臓内科にコンサルトがあった.腎前性腎不全を疑い輸液等で保存的加療したが改善せず,腎機能障害,輸血で改善しない血小板減少を認め,産後4日目に当科治療介入した.
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