透析患者の消化管疾患AtoZ 総論
6 CT・MRI・超音波検査
和田 慎司
1
,
水沼 仁孝
2
1聖マリアンナ医科大学放射線医学講座
2那須赤十字病院放射線科
キーワード:
放射線診断
,
CT
,
MRI
,
超音波
Keyword:
放射線診断
,
CT
,
MRI
,
超音波
pp.887-894
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001830
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消化管疾患診断の主役は,内視鏡検査となっている.消化管造影は病変部位の確認に用いられるが,これもCT colonography(CTC)に移行しつつある.小腸や大腸の炎症性疾患スクリーニングや経過観察にはMR enterography(MRE)やCT enterography(CTE)が用いられるようになってきており,欧米では一般化している.絞扼性小腸閉塞症や非閉塞性腸管虚血など腸管虚血の診断が重要となる場合にはCTによるダイナミックスタディが行われる.閉塞性腸疾患の場合にはMRIのきわめて短時間で撮像できる撮像方法を用いることにより,腸蠕動が損なわれた閉塞部位を非造影で診断することもできる.超音波検査は病変腸管を可視できれば,壁の肥厚,蠕動,虚血の有無などを診断できるが,病変の広がりや腹腔内で起きている変化全体を概観することは難しい.本稿では腎不全患者に対する各種造影剤使用における注意点・禁忌などについて述べ,次に各画像の適応と活用の実際について述べる.
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