特集 感染症と医療安全
2.感染防止に必要な透析看護
横井 さおり
1
,
佐藤 久光
2
1衆済会増子記念病院・感染管理認定看護師
2衆済会増子記念病院・セーフティマネージャー
キーワード:
感染防止
,
血液透析
,
看護
,
患者観察
Keyword:
感染防止
,
血液透析
,
看護
,
患者観察
pp.117-122
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001614
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維持透析患者は細胞性免疫能の低下により,健常人と比べ感染症罹患のリスクが高く,生命予後に影響を及ぼす.透析患者の感染症による死亡は1993年以降増加傾向にあり,2018年では死因の第2位である.感染症のリスク要因として,体外循環を行う際の侵襲や,血液飛散による周囲環境の汚染に伴う血液媒介感染症をはじめ,多数の患者を同時に治療する特殊性から,インフルエンザなどの飛沫感染,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)など多剤耐性菌の接触感染などが伝播しやすい.また,医療従事者の曝露防止対策も重要である.感染症リスクを可能なかぎり低くするため,医療従事者と患者がともに日常管理および適切な観察を行うことが非常に重要である.
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