特集 近未来の透析医療
3.AI・ICT を用いた透析管理(4)AI を用いた急性腎障害の発症予測と診断
林 晃正
1
1大阪急性期・総合医療センター
キーワード:
急性腎障害
,
機械学習
,
深層学習
,
ニューラルネットワーク
,
電子警告
Keyword:
急性腎障害
,
機械学習
,
深層学習
,
ニューラルネットワーク
,
電子警告
pp.485-490
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001261
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急性腎障害(AKI)を発症した患者の短期予後ならびに長期予後は不良であり,発症予防や早期診断による重症化予防が重要である.近年,人工知能(AI)によるAKI 発症予測モデルの開発がなされ,2019 年にはGoogle のAI 部門であるDeepMind 社が,AKI の発症を48 時間前にリアルタイムで予測可能なモデルを開発した.AKI の発症を事前に予測(pre―AKI alert)できれば,適正な介入によりAKI 発症の予防あるいは重症化予防が可能となり,患者予後の改善が期待できる.一方,これらの予測モデルは完全なものではなく,モデルの感度を上げれば偽陽性も多く診断され,医師の警告疲労(alert fatigue)にも繫がりかねない.いわゆる“pre―AKI e―alert”に対して,患者のAKI 発症リスクをどのように再評価し,どのような対応をとるかについては最終的に医師の判断に委ねられており,医師の責任はますます重大となってくる.
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