臨床経験
乳癌化学療法による味覚障害の実態調査
岡田 明子
1
,
村田 透
,
竹之内 靖
,
井上 昌也
,
中山 隆
1常滑市民病院 外科
キーワード:
質問紙法
,
抗腫瘍剤
,
腫瘍多剤併用療法
,
乳房腫瘍
,
味覚障害
,
Anthracyclines
,
アジュバント化学療法
,
Taxoids
,
実態調査
,
TC Protocol (Docetaxel-Cyclophosphamide)
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Breast Neoplasms
,
Surveys and Questionnaires
,
Taste Disorders
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Anthracyclines
,
Taxoids
pp.257-261
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017135889
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乳癌化学療法施行患者22例(平均年齢57.5歳)を対象として、味覚障害の実態調査を行った。味覚障害は14例(64%)に発症し、このうち8例(57%)は1コース目からの発症であり、随伴症状は嗅覚変化4例、口内炎4例、口腔内の知覚の変化1例、嘔気嘔吐1例であった。レジメン別ではタキサン系抗癌薬投与例の72%に味覚障害を認め、味覚障害を原因に治療を中断した症例はなかったが、3例が治療継続に苦痛を感じていた。また、亜鉛製剤投与と味覚障害との関連はみられず、サブグループ解析において化学療法開始時年齢、閉経状況、化学療法の目的、化学療法実施期間、レジメン、亜鉛製剤内服は味覚障害のリスク因子ではなかった。味覚障害は化学療法を受ける患者にとって致死的ではないが、ほかの副作用同様にケアされるべき副作用と考えられた。
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