ケース・スタディ
乳酸アシドーシスを呈した急性腎障害の1 例
平林 陽介
1
,
村田 智博
1
,
石川 英二
1
1三重大学医学部附属病院腎臓内科
キーワード:
乳酸アシドーシス
,
lactate gap
,
浸透圧ギャップ
Keyword:
乳酸アシドーシス
,
lactate gap
,
浸透圧ギャップ
pp.1413-1420
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001084
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症例:40 歳代,男性 既往歴:特発性左大腿骨頭壊死,うつ病,高血圧症,胆石症,脂肪肝 家族歴:特記事項なし 生活歴:喫煙;30 本/day×20 年,飲酒なし 現病歴:うつ病,高血圧症で近医通院加療中の男性.入院5 日前から全身倦怠感を自覚した.入院前日に見当識障害が出現したため近医総合病院を受診した.近医受診時,見当識障害(GCS E3V4M6)を認め,採血ではCre 1.01 mg/dL と軽度の腎機能障害を指摘された.血液ガス分析ではpH 7.219,HCO3- 7.4 mmol/L,lactate 13.65 mmol/L とアシデミアおよび乳酸の上昇を認め,乳酸アシドーシスと診断され,近医(総合病院)へ入院した.乳酸アシドーシスの原因としてビタミンB1 欠乏症や敗血症を疑われ,フルスルチアミンおよびメロペネム点滴静注が行われた.しかし,入院翌日に意識障害が進行し,全身痙攣が出現したため,気管内挿管され,人工呼吸器管理が開始された.また,無尿となったため,持続的血液透析濾過が開始された.同日,意識障害を伴う乳酸アシドーシス,急性腎障害の精査加療目的に当院へ転院した.
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