CKD 患者におけるがん化学療法─透析患者を中心に
IV がん患者のサポーティヴケア 5 好中球減少症
竹村 弘司
1
,
近藤 千紘
1
,
高野 利実
1
1虎の門病院臨床腫瘍科
キーワード:
発熱性好中球減少症(febrile neutropenia;FN)
,
G-CSF(granulocyte colony-stimulating factor)
,
慢性腎不全(chronic kidney disease;CKD)
Keyword:
発熱性好中球減少症(febrile neutropenia;FN)
,
G-CSF(granulocyte colony-stimulating factor)
,
慢性腎不全(chronic kidney disease;CKD)
pp.909-915
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000954
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• 発熱性好中球減少症(febrile neutropenia;FN)は「好中球数が 500/μL 未満,または1,000/μL 未満で48 時間以内に500/μL 未満に減少すると予測される状態で,腋窩温37.5 ℃以上(口腔内温38.0 ℃以上)の発熱を生じた状態」と定義される.
• 治療レジメンごとの FN 発症リスクと患者側の FN 発症リスク因子を事前に把握していることが大切である.腎機能障害は患者側のFN 発症リスク因子である.
• FN 発症リスクが20 %以上のレジメンを選択する場合はG-CSF製剤の一次予防的投与が推奨される.FN 発症リスクが10~20 %のレジメンの場合は,患者側にFN 発症リスクがある場合にG-CSF 製剤投与が考慮される.
• G-CSF 製剤の投与方法は,腎機能障害の有無,透析治療の有無によらず同一である.
• FN の初期治療における抗菌薬選択の原則は,抗緑膿菌活性をもつβラクタム系抗菌薬単剤投与である.ただし,腎機能障害のある患者では使用する抗菌薬とその投与量に配慮が必要である.
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