ケース・スタディ
カフ型カテーテル留置後に発熱を認めた血液透析患者の1 例
唐原 靖治
1
,
榎 裕子
1
,
松永 愛子
1
,
野村 和史
1
,
有薗 健二
1
,
山内 英治
2
,
萩尾 康司
2
1熊本中央病院腎臓科
2熊本中央病院透析アクセス科
キーワード:
カフ型カテーテル
,
感染性心内膜炎
,
血液培養
,
Clostridioides( Clostridium) diffi cile感染症
,
透析患者
Keyword:
カフ型カテーテル
,
感染性心内膜炎
,
血液培養
,
Clostridioides( Clostridium) diffi cile感染症
,
透析患者
pp.665-674
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000915
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
現病歴:X-1 年12 月に糖尿病性腎症による慢性腎不全のため,A 病院にて血液透析導入.左前腕橈側で自己血管内シャントを作製されるも,発達不良であった.X 年1 月よりB 病院にて外来維持透析を施行中であった.2 月より心不全症状が出現し2 月19日に当院循環器科に紹介入院.冠動脈造影にて3 枝病変を認めたため,3 月1 日に冠動脈バイパス(CABG)術を施行された.術後経過良好にて3 月16 日にB 病院に転院となったが,内シャント閉塞のため3 月27 日に当科に転院.CABG 術後であったが左室駆出率40 %の低心機能であり,人工血管による内シャント作製は心不全増悪の危険性が高いと判断し,3 月28 日に右内頸静脈よりカフ型カテーテルを留置.3 月29 日にB病院に転院.3 月31 日に悪寒を伴う38.4 ℃の発熱が出現,同日よりメロペネム(MEPM)0.5 g/day の投与が開始された.徐々に解熱傾向となるも37 ℃台の発熱が持続したため,4 月3 日に血液培養を1 セット採取されたが陰性であった.その後いったん36 ℃台に解熱したが,4 月7 日より再度38 ℃台の発熱が出現.4 月9 日に抗菌薬をビアペネム(BIPM)0.3 g/day に変更されたが皮疹が出現.4 月10 日より抗菌薬をセファゾリン(CEZ)2 g/day および透析ごとにバンコマイシン(VCM)0.5 g に変更された.発熱の精査加療目的にて4 月12 日の透析後に当科に転院.
Copyright © 2019, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.