症例による透析患者の画像診断
血液透析患者に発症した非閉塞性腸管虚血症(NOMI)の1 例
田代 学
1
,
川原 和彦
1
,
水口 潤
1
1川島病院腎臓内科
キーワード:
非閉塞性腸管虚血症(NOMI)
,
血液透析患者
Keyword:
非閉塞性腸管虚血症(NOMI)
,
血液透析患者
pp.346-349
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000837
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
非閉塞性腸管虚血症(nonocclusive mesenteric ischemia;NOMI)は腸間膜の血管に器質的な閉塞を伴わないにもかかわらず,腸管に虚血が起こり,壊死を生じる疾患である.診断において造影CT で腸管・腸間膜,腸間膜動脈,静脈を診断することが重要である.NOMI では著しい血流低下にて腸管の造影不良や虚血による腸管壁の肥厚がみられることがあるが,典型的な画像所見はない.また,CT で虚血病変がみられるのは60 %前後との報告もあり,画像診断で否定できない.NOMI 症例の死亡率は高いが,特徴的な症状や画像所見が乏しいために診断の困難性と治療開始のタイミングが難しい.治療としては,血管拡張薬の動注療法(塩酸パパべリン,プロスタグランジンE1,ニトログリセリン)を行い手術療法の適応があるか判断する.今回,NOMI の1 症例を経験したので報告する.
Copyright © 2019, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.