輸液 ある個人教育の経験より・2
ナトリウムの必要量
和田 孝雄
1
,
近藤 和子
2
,
梶原 めぐみ
3
1慶応義塾大学医学部内科
2慶応義塾大学病院
3慶応義塾大学医学部付属厚生女子学院
pp.193-196
発行日 1980年2月1日
Published Date 1980/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918885
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輸液量は何を基準にして決めるか‘無難な量’の考え方
近藤 前回のお話で,水やナトリウムの生理学的な意味がわかりましたので,今回から,いよいよ実地の話に移りたいと思います.経口的に食事がとれなくて,輸液だけに頼らなければならないときの輸液量は,どういう基準によって決められるのですか.水の量を先に決めるのですか,それともナトリウムの量から水の量を割り出すのですか.
和田 それは輸液のいちばん重要な原点なんですが,‘割り出す’という考え方は,非常に難しいんです.例えばアマゾンの奥地に住む原住民が食塩をどのくらい必要とするかという話と,文明人が食塩をどのくらい必要とするかという話では,答えが全く違ってきます.
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