特集 透析患者の余暇とレクリエーション
8.旅行が身体,心理に与える影響(1)旅行
古殿 孝高
1
1NTT 東日本関東病院高血圧・腎臓内科
キーワード:
旅行
,
旅行者血栓症
,
高山病
,
旅行者下痢症
,
時差症候群
Keyword:
旅行
,
旅行者血栓症
,
高山病
,
旅行者下痢症
,
時差症候群
pp.1023-1034
発行日 2018年7月10日
Published Date 2018/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000608
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本稿では,旅行が身体,心理に与える影響とCKD(chronic kidney disease)患者のリスクについて,旅行者血栓症,高山病,旅行者下痢症,時差症候群に関連し述べた.CKD は旅行者血栓症の高リスクで,発症頻度はeGFR(estimated glomerular fi ltration rate)の低下や尿蛋白の増加に相関する.高地環境はCKD の増悪を促進する可能性があり,尿蛋白増加や末期腎不全は高山病のリスクで,透析患者では肺水腫のリスクが高まる.旅行者下痢症はCKD 患者では,免疫能低下から重篤化しやすく,透析患者はバスキュラーアクセス閉塞,CVD(cardiovascular disease)イベント,脳卒中など続発症の高リスクである.時差によるサーカディアンリズムの不調は,高血圧やCVD イベントと関連する.これらからCKD 患者の旅行は一般患者と比較しハイリスクと考える.
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