透析医療と合併症 キュア&ケアガイドブック
循環器 CQ 15 うっ血性心不全・心機能低下透析患者への対策はどのように行いますか?
興野 藍
1
,
小川 哲也
1
1東京女子医科大学東医療センター内科
キーワード:
左心不全
,
体液過剰
,
左室拡張機能障害
,
非心臓性循環不全
Keyword:
左心不全
,
体液過剰
,
左室拡張機能障害
,
非心臓性循環不全
pp.742-746
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000539
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Ⅰ医学的背景
透析患者では心疾患の合併が多いことから心不全の罹患率が高く,また体液過剰にもなりやすいため,うっ血性心不全のリスクが高い.
Ⅱキュア
器質的心疾患の有無の検討が重要である.
非心臓性循環不全の原因となる要素についての検討とそれに対する治療も必要となる.
うっ血性心不全を合併した透析患者に対する薬物療法の選択とDWの再設定が必要である.
IVC,ANP,クリットラインモニターを使用して循環血液量を評価する.
心エコーでのglobal longitudinal strain(GLS)を使用した早期の心不全の評価が望まれる.
組織ドップラー心エコーでのE/e’を用いた左室拡張障害の評価を行う.
Ⅲケア
1日5 gの塩分制限と中1日でDWの3%未満,中2日で5%未満になる水分摂取制限の食事指導を行う.
感染症の予防が必要となる.
栄養状態悪化を予防し改善させるような食事指導も重要である.
高齢,独居であるなど生活・食事指導の理解と実践が難しいケースにおいては多職種との連携がますます重要になる.
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