特集 透析患者の体力と認知力を考える―患者と家族が満足するキュアとケア
[各論]12.全人的医療による透析患者の体力と認知力の維持・向上―長崎県におけるアンケート調査より
原田 孝司
1
1長崎腎病院
キーワード:
全人的医療
,
認知機能
,
患者中心医療
Keyword:
全人的医療
,
認知機能
,
患者中心医療
pp.517-522
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000442
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全人的医療(biopsychological medicine)とは患者の視点をもつことを強調した医療である.高齢化した透析患者のADL は低下しており,介護度が高い患者が多くなってきている.したがって,患者の介護度に合わせた療養環境を整える必要があり,さらに維持血液透析のための通院手段に配慮する必要がある.長崎県での実態調査では,透析患者の認知症の頻度は高く,服薬アドヒアランスは悪く,摂食障害がみられ,誤嚥性肺炎などが生命予後に関わっていた.認知症は早期に発見し,認知症外来を受診して日常生活の継続をはかる.ADL の低下および認知力の低下した透析患者に対しては,患者および家族を中心に種々の職種が関わって患者を支えていく必要がある.
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