特集 透析スタッフにとっての腎移植―直面する臨床的課題
1.日本の腎移植の現況と今後の展望
湯沢 賢治
1
1国立病院機構水戸医療センター臓器移植外科
キーワード:
腎移植
,
献腎移植
,
生体腎移植
Keyword:
腎移植
,
献腎移植
,
生体腎移植
pp.1651-1658
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000260
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腎代替療法として完全に腎機能を代替できるのは腎移植である.慢性透析患者は32 万人を超えているが,年間の腎移植症例数は1,600 例程度で,このうち80 %以上が生体腎移植である.現在,移植腎5 年生着率は生体腎で94.5 %,献腎移植で87.3 %ときわめて良好な成績を得ている.生体腎移植では,ABO血液型不適合が33 %,夫婦間での腎移植が43 %で,親子間の41 %を超えている.維持透析を受けずに腎移植に至る症例が34 %となった.しかし,臓器移植は本来,亡くなった人からの提供で行うべきものであるが,臓器移植法制定から20 年,改正から8 年経過しているが,一向に臓器提供者は増えておらず,逆に献腎移植を希望して登録している患者の移植の機会は減少している.
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