特集 創造する透析医療―新たなmodalityへの期待と課題
2.新たな技術(モニタリング)(3)連続溶質除去量モニタで明らかになること
山本 健一郎
1
,
峰島 三千男
2
1川崎医療福祉大学医療技術学部臨床工学科
2東京女子医科大学臨床工学科
キーワード:
モニタリング
,
透析量
,
トラブル検出
Keyword:
モニタリング
,
透析量
,
トラブル検出
pp.653-657
発行日 2017年6月10日
Published Date 2017/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000057
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連続溶質除去量モニタは,透析液排液中に含まれる尿素様溶質の濃度をリアルタイム計測することにより,生体内における溶質除去動態を単に把握するだけでなく,除去性能低下を引き起こす脱血不良やアクセス再循環といったトラブル検知が可能となる.連続溶質除去量モニタのアイデア自体は古く20 年ほど前からあり,その有用性についてもよく知られてはいたが,技術的要因により実用化までには至らなかった.それ以降目覚ましく進歩した科学技術により,近年ようやく実用化され普及が進みつつある.新たなモニタの活用法として,生体にとって有用な蛋白質であるアルブミンの漏出量モニタとしての可能性も示されている.連続溶質除去量モニタは,施設透析はもちろん在宅透析においても,患者個々の病態に合った適正な透析を安全かつ効率的に施行できる次世代透析に必要不可欠なモニタリング技術である.
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