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第1土曜特集 肥満症――代謝異常から全身性疾患へのパラダイムシフト
トピックス
肥満症診療におけるリアルワールドデータベースの構築と展望
-――J-ORBITの取り組み
Establishment and future perspectives of a real-world database for obesity disease
――The J-ORBIT initiative
西影 星二
1
,
廣田 勇士
1
,
小川 渉
1
Seiji NISHIKAGE
1
,
Yushi HIROTA
1
,
Wataru OGAWA
1
1神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門
キーワード:
診療録直結型肥満症データベース(J-ORBIT)
,
肥満症
,
リアルワールドデータ
,
診療録直結型全国糖尿病データベース(J-DREAMS)
,
SS-MIX2
Keyword:
診療録直結型肥満症データベース(J-ORBIT)
,
肥満症
,
リアルワールドデータ
,
診療録直結型全国糖尿病データベース(J-DREAMS)
,
SS-MIX2
pp.1016-1022
発行日 2025年6月7日
Published Date 2025/6/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293101016
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近年,医療現場で日々生成される診療録やレセプトなどのデータは,科学的に重要な “資源” として,医学研究や政策立案の基盤となりつつある.こうした背景のなか,日本肥満学会が主導する取り組みとして,2018年より “診療録直結型肥満症データベース(J-ORBIT)” の開発が進められている.J-ORBITは,日本糖尿病学会が先行して整備した “診療録直結型全国糖尿病データベース(J-DREAMS)” のシステムを基盤としており,電子診療録に “肥満症標準診療テンプレート” を組み込んでデータを構造化することで,肥満症の診断・治療に関する包括的な情報を体系的に収集する仕組みである.現在までに全国8施設に導入され,さらに20施設以上への拡大と,1万人以上の診療情報を収集する体制整備を目指している.J-ORBITによる肥満症のリアルワールドデータ収集は,診断や治療の質を均てん化し,個別化医療の推進を可能にするとともに,肥満症治療に対する社会的理解の促進にも寄与することが期待される.

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