特別企画 こんな形成外科医と働きたい—他職種・他診療科に聞きます—
救急科 知識をシェアしお互いに学び合える関係を!すべては患者のために!
宇田川 和彦
1
1Department of Orthopaedics, Gold Coast University Hospital
pp.501-505
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2025050012
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はじめに
Good day! 現在私はオーストラリアで整形外傷フェローとして働いている。整形外科外傷治療において形成外科医はなくてはならない存在である。なぜならば外傷によって骨のみならず皮膚・筋肉といった軟部組織,そして脈管神経まで損傷を受ける可能性があるからである。特に骨,筋腱,神経血管,皮膚が複合的に損傷された重度四肢外傷治療において,軟部組織再建は必須であり,整形外科医単独では治療が困難であることが多い。私に重度四肢外傷治療において多くの学びを与えてくれた土田芳彦先生を筆頭に,整形外科医として軟部組織再建のトレーニングを積み,自ら骨再建だけでなく軟部組織再建まで行うことが可能なorthoplastic surgeonも存在するが,現状その数はまだまだ少なく,多くの施設において重度四肢外傷の軟部組織再建は形成外科医にお願いをしているのが現状ではないかと推察している。形成外科医が,日々の忙しい臨床業務の中で突然やってくる外傷再建の手術をやることは,肉体的疲労のみだけでなく,手術室と交渉し枠を確保しなければならないという精神的な疲労があることを重々に承知している中で,私が働きたいと思う形成外科医について書かせてもらいたいと思う。

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