特別企画 海外に行こう!
短期海外留学という切り札
素輪 善弘
1
Yoshihiro Sowa
1
1京都大学大学院医学研究科形成外科学
pp.430-435
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2023040013
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はじめに
「海外医学留学」と一言でいってもいくつかスタイルがあり,置かれている立場や個々の価値観によってその捉え方はそれぞれかと思います。現在は昔に比べて価値観が多様化し,医学留学の意義や期待される成果も変化しているように思います。オンライン学会に代表されるIT化で世界との距離は急激に縮まり,スマートフォン1つで好きな時間と場所につながることができます。ポスト・コロナ社会はそれをさらに加速させました。実際に日本の医学海外留学件数は年々減少しています。医学留学を行う目的とは何か? このシンプルな問いを再考する時期にあるのかもしれません。
確かに海外医学留学は,人生で何度もない素晴らしい挑戦だと思います。しかし,誰もがおいそれと簡単に実行できる代物ではないことも事実です。本稿では,ありがちな論調で海外医学留学を手放しで美化することは控え,あえて現実的かつ冷静にその本質を再考することにしました。そして,現在,海外留学を心に秘めているがなかなか踏み出せない人,あるいは今まさに計画に頓挫している方への窮余の一策として,「短期海外留学」という留学スタイルに改めてスポットライトを当ててみました。海外留学を経験してみたいけれど足が重い医師にとって,「短期海外留学」は魅力的なカードとなるのではないでしょうか。
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