投稿論文 紹介
全身麻酔用の術前説明媒体別選好に年齢が与える影響
水野 樹
1
,
魚森 俊喬
,
飯島 耕太郎
,
齊藤 光江
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 麻酔科学・ペインクリニック講座
キーワード:
意思決定
,
インフォームドコンセント
,
全身麻酔
,
乳房腫瘍
,
動画
,
年齢因子
,
パンフレット
,
患者の意向
,
DVD (メディア)
Keyword:
Age Factors
,
Anesthesia, General
,
Informed Consent
,
Motion Pictures
,
Pamphlets
,
Decision Making
,
Breast Neoplasms
,
Patient Preference
pp.659-665
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021256350
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目的:術前の全身麻酔(general anesthesia:GA)の説明と同意(informed consent:IC)の際には、用紙や小冊子などの紙媒体と、ビデオやデジタル・バーサタイル・ディスク(digital versatile disc:DVD)などの音響映像(audio visual:AV)媒体が用いられている。一般的に、認知機能は加齢に伴い低下する。今回、GA用の術前説明媒体別選好に年齢が与える影響を調査した。方法:乳腺外科手術を要する患者は、手術前日までに、GA用の術前説明紙媒体である"小冊子"を精読し、AV媒体である"DVD"を視聴した。麻酔科医は、患者からGAのIC取得後、より理解しやすかったGA用の術前説明媒体について質問し、回答を得た。患者を、60歳未満の若年患者群と60歳以上の高齢患者群の2群に分けた。結果:若年患者群は276人、高齢患者群は169人であった。GA用の術前説明媒体選好率は、両群ともに、"DVD"が"小冊子"に比較して有意に高かった。しかし、"DVD"の選好率では、若年患者群の50.4%は、高齢患者群の38.5%に比較して有意に高かった。結語:AV媒体は、年齢にかかわらず、紙媒体より高いGA用の術前説明媒体選好率であるが、若年患者は高齢患者より顕著である。
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