投稿論文 紹介
術前診察時に麻酔方法を希望する患者の背景や麻酔歴に関する検討
金子 高穂
1
1桜ヶ丘中央病院 麻酔科
キーワード:
意思決定
,
砕石術
,
脊椎麻酔
,
全身麻酔
,
後向き研究
,
尿管鏡法
,
患者心理
,
患者の意向
Keyword:
Anesthesia, General
,
Anesthesia, Spinal
,
Retrospective Studies
,
Ureteroscopy
,
Lithotripsy
,
Decision Making
,
Patient Preference
pp.434-438
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2022140593
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
当科では、麻酔方法が選択可能な状況では術前診察の際に患者の希望やその理由を尋ねるようにしている。今回、術前診察時に麻酔方法を希望した患者の背景や麻酔歴について後ろ向きに検討した。2012年4月-2019年8月の期間に、経尿道的尿管結石破砕術を受けるために麻酔科術前外来を受診した患者691名を対象とした。麻酔方法は全身麻酔(以下、全麻)か脊髄くも膜下麻酔(以下、脊麻)の二者択一とした。麻酔方法を希望しなかった患者は204症例(48%)、希望した患者は221症例(52%)で若い世代に多かった。麻酔方法を希望した患者の73%(161症例)は全麻を希望した。麻酔経験者は同じ麻酔方法を希望することが多かったが、30年以上前の脊麻経験者は脊麻を拒否する傾向にあった。麻酔経験がなく麻酔方法を希望した患者は、全麻や脊麻に対する漠然とした不安や恐れを訴えることが多かった。
Copyright© 2022 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.