発行日 2008年5月20日
Published Date 2008/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2008225722
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【目的】がん患者へのパンフレットを用いた情報提供の現状を明らかにし、英国での実践例と比較し、今後の課題を検討すること。【研究方法】1)英国、地方都市での聞き取り調査および文献検索、2)日本、地方都市での実態調査:25病院へのアンケートおよび電話での聞き取り。【結果と考察】1)英国での実践例:病棟でのinformation packの提供、resource roomでの個別の情報提供が行われていた。作成は、各病院、地域の複数の病院での共同、英国NHSの患者サポートセンター、慈善団体(Cancer Backup)で行われていた。Cancer Backupのパンフレットは「がんの部位別病態」計37種類、「検査と治療」計10種類、「癌と共に生きる」計21種類存在した。2)日本の現状:アンケート回収数13(回収率52%)、そのうち承諾の得られた7施設へ電話調査を行った。アンケートでは、パンフレット利用あり69%、利用なし31%、13施設全体で行っている情報内容の内訳は、身体面69.2%、生活面61.5%、精神・社会面30.8%、家族・友人0%であった。患者の精神面から家族向けまで作成されていた英国と比較し、精神・社会面、家族・友人への情報提供の不足、病院間の連携や専門機関などからの支援の必要性が明らかとなった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008