投稿論文 症例
頭部多発皮膚腫瘍を呈したBrooke-Spiegler症候群が男性に発症した1例
浅井 凜太郎
1
,
宮野 竜太朗
,
貴志 有紗
,
相原 正記
,
梶川 明義
1聖マリアンナ医科大学 形成外科学
キーワード:
外科的皮膚弁
,
頭頸部腫瘍
,
Brooke-Spiegler症候群
,
家族性円柱腫
Keyword:
Surgical Flaps
,
Head and Neck Neoplasms
,
Familial Cylindromatosis
,
Familial Cylindromatosis
pp.1434-1440
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2023118314
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Brooke-Spiegler症候群(BSS)は、円柱腫と多発毛包上皮腫の合併と家族内発症を特徴とする疾患で、女性に優位にみられ、男性には稀とされる。今回、本邦で4例目の報告となる男性のBSS例を経験した。症例は初診時49歳で、2年前に出現した頭頂部皮膚腫瘍の増大を主訴に当院皮膚科を受診した。鼻周囲にも皮膚腫瘍が複数存在したが、当初は本人がその切除を希望しなかったため、頭頂部の腫瘍のみ精査治療を行う方針となった。生検により円柱腫と診断され、全切除を目的に当科(形成外科)へ紹介された。長径35mmの腫瘍を骨膜上で全周性に切除し、切除に伴う皮膚欠損は皮弁で再建し、術後経過良好であった。術後1年5ヵ月時に患者の希望で鼻周囲(両鼻翼)の皮膚腫瘍の切除術を行い、病理組織所見から毛包上皮腫と診断し、術後6ヵ月の現在まで再発は認めていない。母親と妹にも同様の皮膚腫瘍があることからBSSと診断した。
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