投稿論文 症例
先天性外眼筋線維症による眼瞼下垂症の1例
金子 貴芳
1
,
宮永 亨
,
島田 賢一
1金沢医科大学 形成外科
キーワード:
眼瞼下垂
,
MRI
,
先天性外眼筋線維症
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Blepharoptosis
,
Congenital Fibrosis Of The Extraocular Muscles
pp.1214-1219
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2023010353
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症例は3歳女児で、先天性眼瞼下垂を主訴とした。瞼縁角膜反射距離(MRD)は両眼ともに-1mmであり、左眼に外斜視を認めた。MRI画像では両眼ともに上直筋および内側直筋の菲薄化を認め、両側上眼瞼挙筋の萎縮も認めた。さらに両眼の下方固定、下顎挙上頭位および家族性発症などの特徴的な所見から標記の診断とした。全身麻酔下に大腿筋膜を用いた前頭筋吊り上げによる眼瞼下垂症手術を行った。患児は眼球の上転を行うことが常時困難であったため、開瞼幅をMRD 1mmに調整した。さらに左眼の遮蔽と弱視の危険性が指摘されていたため、左側の上眼瞼の瞼縁を右側より1mm高い位置になるよう調整し縫合固定した。術後1年3ヵ月経過して両側上眼瞼の開瞼状態は良好であり、下顎挙上頭位も改善し、術後の瘢痕はほとんど目立たない。
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