投稿論文 経験
Trans womanの外陰部女性化術とS状結腸造膣術における希釈式自己血輸血の有用性
林 昌伸
1
,
渡邊 敏之
,
渡部 紫秀
,
賀来 隆治
,
佐古 智子
,
寺石 文則
,
木股 敬裕
,
難波 祐三郎
1岡山大学 形成再建外科
キーワード:
S状結腸
,
外陰部(女性)
,
血液希釈
,
膣
,
自己血輸血
,
治療成績
,
性別適合手術
,
膣形成術
Keyword:
Hemodilution
,
Colon, Sigmoid
,
Treatment Outcome
,
Vagina
,
Vulva
,
Blood Transfusion, Autologous
,
Sex Reassignment Surgery
pp.1208-1213
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2023010352
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2017年12月~2019年6月に外陰部女性化術とS状結腸を用いた造膣術を同時に施行し、術中希釈式自己血輸血(HAT)を施行したtrans womanの7例(平均年齢29歳)を対象に、HATの効果および同種血輸血の必要性を調査した。全例術前よりエストロゲン製剤投与によるホルモン治療が行われており、術前4週間の休薬を行った。平均手術時間は540.9分、平均麻酔時間は635.4分であった。全例で麻酔導入後に自己血採血を行い貯血量は400mLが5例、800mLが2例であり、出血量は平均534.3g、最多945gであった。術後同種血輸血を要した症例はなく、術後出血合併症を生じた症例もなかった。ヘモグロビン値の推移は、術前14.14g/dL、術中自己採血後10.96g/dL、術後10.81g/dLであった。HATは術前採血処置が不要のため、ホルモン治療中のtrans woman患者に対して適応しやすく、性別適合手術において同種血輸血に比較して安全で合併症の少ない有効な代替案である。
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