投稿論文 経験
形成外科領域における超音波ガイド下坐骨神経ブロック(膝窩部アプローチ)の有用性
桑原 郁
1
,
池野屋 慎太郎
,
大石 正雄
,
横木 阿沙子
,
榊原 倫子
,
渡部 雅子
,
永瀬 久仁
,
渡部 祐子
1松江赤十字病院 形成外科
キーワード:
形成外科
,
坐骨神経
,
神経ブロック
,
心臓血管疾患
,
インターベンショナル超音波診断
,
リスク評価
Keyword:
Sciatic Nerve
,
Ultrasonography, Interventional
,
Nerve Block
,
Cardiovascular Diseases
,
Risk Assessment
,
Plastic Surgery Procedures
pp.1200-1207
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2023010351
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2019年10月~2021年11月に、形成外科医による自家麻酔で膝窩部アプローチからの超音波ガイド下坐骨神経ブロック(PSNB)により手術を行った21例(男性14例、女性7例、平均年齢58.1歳)を対象に、その有意性について検討した。原疾患の内訳は、足壊疽6例、骨髄炎3例、外傷6例、皮膚潰瘍2例、その他4例であり、緊急手術5例、予定手術16例であった。基礎疾患は糖尿病10例、慢性腎臓病8例、重症下肢虚血5例であり、抗血小板薬内服中の7例は全例術前の休薬は行わなかった。坐骨神経領域における麻酔効果はexcellentが19例(90.5%)、goodが2例(9.5%)であり、全例で他の麻酔法へ移行することなく手術を終了した。PSNBによって血圧が低下した症例や術中に循環器系作動薬が必要となった症例はなく、穿刺部の血腫や神経損傷、局所麻酔薬中毒なども認めなかった。PSNBは下腿内側を除く下腿以遠の比較的広範囲の手術で有用であった。
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