発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012339623
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肘関節以遠の手術100例(男68例、女32例、平均年齢48.3歳)に対し、超音波ガイド下に腋窩伝達麻酔を行った。麻酔は上腕二頭筋上から穿刺針を刺入し超音波ガイド下に平行法で穿刺針を各神経に誘導し、正中神経、尺骨神経、橈骨神経、筋皮神経の順に薬液を注入した。その結果、神経損傷、局所麻酔中毒などの合併症はなく、麻酔手技に要した時間は、平均16分であった。執刀時、痛覚が残存して局所麻酔の追加を要した症例は23例あったが、麻酔60分後には橈骨神経を除いて95%で痛覚を遮断できた。留置刺入に伴う苦痛に対するvisual analogue scale(VAS)の平均値は2.56であったが、麻酔手技に伴うVASの平均値は3.48で、麻酔による鎮痛効果は平均10時間24分であった。手術時間が60分を超えた47例に対しターニケットペインの程度について調査したところ、かなりの痛みを訴えたのは4例、軽度の痛みを訴えたのは11例で、痛みなしは32例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012