投稿論文 症例
顎関節脱臼の疑いで紹介された破傷風の1例
恩田 慶子
1
,
関 征央
,
相原 正記
,
梶川 明義
1聖マリアンナ医科大学 形成外科学教室
キーワード:
Penicillin G
,
開口障害
,
顎関節疾患
,
鑑別診断
,
関節脱臼
,
破傷風
,
破傷風抗毒素
,
破傷風トキソイド
Keyword:
Tetanus Toxoid
,
Temporomandibular Joint Disorders
,
Tetanus Antitoxin
,
Tetanus
,
Trismus
,
Penicillin G
,
Joint Dislocations
,
Diagnosis, Differential
pp.595-600
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021227815
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86歳男性。食事摂食不良を主訴に夜間救急を受診し、開口障害を認めたため顎関節脱臼が疑われたため紹介となった。初診時、項部が固かったため聴取した結果、初診日前日より顎の強張り感が出現しており、右環指のサックを外したところ発赤・腫脹・悪臭を認め、1週間前に受傷していたことが分かった。破傷風第2期(オンセットタイム)による牙関緊急と考えて即日ICUに入院し、ペニシリン、抗破傷風ヒト免疫グロブリン静注、破傷風トキソノイド筋注を行った。経過中は痙攣の制御および人工呼吸器による呼吸管理、左腸腰筋膿瘍に対するドレナージを行った。膿瘍と破傷風との関連は不明であった。その結果、入院24日に介助で歩行可能となり、開口障害は改善した。入院時に行った右環指爪下膿瘍の細菌培養から破傷風菌を検出し、確定診断を得た。
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