臨床室
ネコ咬創による示指中手指節関節化膿性関節炎の1例
尾立 和彦
1
,
増井 文昭
,
斎藤 雅人
,
為貝 秀明
,
中野 信宏
,
白旗 敏克
1千葉西総合病院 整形外科・関節外科センター
キーワード:
関節炎-感染性
,
外科的皮膚弁
,
咬傷と刺傷
,
デブリードマン
,
中手指節関節
,
ネコ
,
指骨(手)
,
陰圧閉鎖療法
,
指関節置換術
,
骨欠損
Keyword:
Arthritis, Infectious
,
Bites and Stings
,
Cats
,
Debridement
,
Metacarpophalangeal Joint
,
Surgical Flaps
,
Finger Phalanges
,
Arthroplasty, Replacement, Finger
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.638-641
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016307920
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66歳女。右示指の痛み、腫脹を主訴とした。ネコ咬創に対して皮膚科で加療されるも排膿が持続するため、受傷21日に紹介受診した。中手指節(MP)関節橈側に排膿を伴う咬創があり、単純X線、CTでは第2基節骨に骨破壊像を認めた。MRIでは基節骨遠位、MP関節内と周囲軟部組織に炎症像を認めた。デブリドマンと開放療法を行い、受傷から時間が経過していることから術後9日に追加デブリドマンと持続陰圧療法を併用した結果、治癒が得られ、術後培養検査でPasteurella multocidaが同定された。また、MP関節の脱臼と基節骨の骨欠損に対して人工指関節置換術と局所皮弁術による再建術を行い、術後8ヵ月現在、可動域は伸展-10°、屈曲90°で感染の再燃は認めていない。
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