投稿論文 工夫
ハイブリッドMMFシステムにおけるスクリュー刺入部位の安全性と刺入順序
西脇 仁
1
,
諸富 公昭
,
平野 成彦
,
一ノ橋 紘平
,
井内 友美
,
丹羽 幸司
,
磯貝 典孝
1近畿大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
下顎骨骨折
,
骨ねじ
,
歯根
,
上顎骨骨折
,
X線CT
,
年齢因子
,
顎間固定
Keyword:
Bone Screws
,
Age Factors
,
Maxillary Fractures
,
Mandibular Fractures
,
Tooth Root
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.114-120
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020240140
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歯牙や歯根損傷を回避して歯槽骨へのスクリュー刺入をより安全に行う方法について検討した。対象は、2013年1月~2017年12月までの5年間に治療した顎骨骨折患者58例(男性41例、女性17例)とした。X線、CTを用いて計測し、得られた歯根尖間距離からSMART Lock Hybrid MMF(SLH)スクリュー刺入における安全領域と刺入順序について評価した。その結果、上顎の歯根尖間距離は、左右ともに側切歯-犬歯間が最大で、第1・2小臼歯間が最小であった。下顎は、左右ともに側切歯-犬歯間が最も広く、中切歯-側切歯間が最も狭かった。以上より、スクリュー刺入の安全領域は、上顎は第2小臼歯と第1大臼歯の間で、下顎は犬歯から第2大臼歯までの臼歯部であった。危険領域は上顎は、歯根尖間距離の最も小さい第1・2小臼歯間で、下顎は歯根尖間距離のもっとも小さい切歯・側切歯間であった。スクリュー刺入順序においては、上顎は、正中(切歯間)にスクリュー刺入し、SLHの固定に用いる基準点とする。次に側切歯・犬歯間にスクリュー刺入する。最後に第2小臼歯・第1大臼歯間にスクリュー刺入する。下顎も上顎と同様の順序だが、上下第1大臼歯の咬頭嵌合位とするため、上顎に刺入したスクリューに対応した位置とした。
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