症例
尿膜管遺残からの発生が疑われた閉経後の異所性未熟奇形腫の1例
竹内 穂高
1
,
中島 雅子
1
,
藤原 静絵
1
,
鷲見 悠美
1
,
原 きく江
1
,
上田 典胤
1
,
黒澤 和子
1
1伊那中央病院産婦人科
pp.539-542
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/spJ.0000000047
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未熟奇形腫は若年発症を特徴とする卵巣腫瘍の1 つである。今回,異所性に発生した閉経後の未熟奇形腫を経験した。症例は71 歳,腹部膨隆を契機に径21 cm の骨盤内巨大腫瘍を指摘され手術を施行した。腫瘍は両側正常卵巣とは別に膀胱近傍の腹膜と連続しており,尿膜管遺残との関連が疑われた。分化した上皮性腫瘍の一部に幼弱な神経組織を認め未熟奇形腫Grade 1 と診断した。未破裂での摘出のため術後治療は施行せず経過観察としている。本症例から異所性に未熟奇形腫を認める可能性があること,また稀ながら高齢女性にも発症しうることが示された。
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