特集 とっつきにくかった周産期病理をあらためて学ぶ―診断から説明までを徹底整理
各論
9.妊産婦死亡事例に学ぶ―病理医から産婦人科医へのメッセージ―
阿萬 紫
1
M. Aman
1
1宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野(助教)
pp.687-691
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003886
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病理診断は,組織所見だけで決定されるものではない。正確な診断を得るためには,依頼書に臨床診断・病変部位・経過・関連する検査結果を明記し,病理医と積極的に情報を共有することが不可欠である。病理診断書を受け取った後も,臨床像と照らし合わせて違和感があれば積極的に病理医とディスカッションしていただきたい。妊産婦死亡事例では,剖検症例の約10%で臨床診断と剖検診断が一致せず,また15%からは新知見が得られており,病理解剖の重要性は明らかである。剖検に際しては,産婦人科医が疑う死因や疑問点をあらかじめ病理医に伝えることが,的確な肉眼観察・標本作製・病態考察につながる。臨床と病理の対話を深めることは,目の前の患者の病態理解のみならず,将来の診療向上にも還元される。

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